2023年6月定例会 一般質問|小規模事業者への支援、ごみの減量と資源化、暮らしに役立つアプリの改善
地域の事業者を支え、ごみを減らし、暮らしやすい十和田市へ
2023年6月の十和田市議会第2回定例会では、「インボイス制度への対応」と「ごみ減量化」について一般質問を行いました。
同年10月から始まるインボイス制度に対して、市内の個人事業主や小規模事業者がどのような影響を受けるのか。また、ごみの減量化を進める中で、まだ資源として活用できるものはないのか。
さらに、ごみ収集アプリを利用する市民から寄せられた、表示や情報のわかりにくさについても改善を求めました。
今回の一般質問では、国の新しい制度への対応から、市民の身近な暮らしの困り事まで、具体的な数値や現場の声をもとに質問しました。
今回の質問で確認できたことと前進
① インボイス制度による小規模事業者への影響
取引条件の変更などへの不安を取り上げ、市に事業者の実情把握と関係機関との連携による周知を求めました。
② 市のインボイス対応と財政負担
市の各会計や財産区の登録状況を確認し、特別会計や企業会計には消費税負担が増える可能性があることを明らかにしました。
③ 剪定枝の粉砕機無料貸出しを提案
市内で年間約267トンと推計された草木類のごみについて、資源化のための粉砕機無料貸出しを提案。市から第5次ごみ減量行動計画の中で有効性を検討するとの答弁がありました。
④ 民間の資源回収の取組を見える化
スーパーなどが回収する資源ごみを市の統計に反映できないか質問し、市から民間事業者と協議して独自に公表する可能性を検討するとの答弁がありました。
⑤ ごみ収集アプリの改善を求める
市民から寄せられた分別表示のわかりにくさや処分方法の案内不足を取り上げ、市からアプリ提供事業者と協議して改善に努めるとの答弁がありました。
【地域経済】インボイス制度による小規模事業者への影響を確認
1.新しい制度への不安。市内事業者の声を市政へ
2023年10月1日から、消費税の適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度が始まることになっていました。
インボイス制度は、事業者が消費税の仕入れ税額控除を受ける際などに関わる制度です。
特に、これまで消費税の免税事業者だった個人事業主や小規模事業者にとっては、登録するかどうかの判断が、取引先との関係や経営に影響する可能性がありました。
市内の事業者からも、制度が始まることで取引条件が変わるのではないか、請求書の管理が複雑になるのではないかといった不安の声を聞いていました。
そこで、市内事業者への影響や、市としての対応について質問しました。
副市長からは、制度導入によって請求書や消費税の管理が適正化される一方、免税事業者が取引を見直される可能性も懸念されるとの答弁がありました。
また、2023年4月時点の県内事業者の登録状況として、法人が約92%、個人事業主が約49%であることが説明されました。
ただし、十和田市内の免税事業者数や、具体的にどの程度の影響が生じるのかについては、市として把握できていないとのことでした。
2.制度を知らない事業者にも、必要な情報を届けてほしい
再質問では、特に個人事業主や小規模事業者への支援について掘り下げました。
税理士などに相談できる企業がある一方で、相談先がない、商工会や商工会議所などに加入していないという個人事業主もいます。
説明会が開催されていても、自分の事業にどのような影響があるのかわからず、対応を決めかねている方もいました。
そこで、制度の周知に加えて、現場でどのような問題が起きているのか、市として情報収集する考えがないか質問しました。
市からは、消費税は国の制度であることから、市としては広報や税務署、商工会議所などの研修会を通じて周知を進めるとの答弁がありました。
私は、制度の説明だけでなく、実際に困っている事業者の声を把握することも重要だと考えています。
地域経済を支えているのは、大きな企業だけではありません。小さな事業者や個人事業主も、地域の仕事や暮らしを支える大切な存在です。
事業規模によって必要な情報から取り残されることがないよう、関係機関と連携した丁寧な対応を要望しました。
3.市の会計や関係団体は、どのように対応するのか
インボイス制度は、民間事業者だけでなく、市役所の会計や関連する団体にも関わります。
そこで、市の一般会計、特別会計、企業会計、財産区などの登録状況を質問しました。
市からは、対応が必要な会計や財産区についてインボイス登録を行い、システム改修などの準備を進めているとの答弁がありました。
また、外郭団体や協議会、町内会などについては、一律に登録を求めるのではなく、それぞれの取引状況に応じて判断するとの説明がありました。
さらに再質問では、制度開始によって市の消費税負担がどの程度増えるのかを確認しました。
市からは、一般会計は消費税法上の特例により申告義務がない一方、国民健康保険事業などの特別会計や、水道事業などの企業会計では、負担が増える可能性があるとの説明がありました。
ただし、市と取引する事業者の多くはインボイス登録がなされると見込んでおり、影響は少ないと考えているとのことでした。
インボイスに対応するためのシステム改修費についても質問しましたが、市は有料駐車場の精算機更新などを例に挙げたものの、正確な事業費の数字については答弁がありませんでした。
市の事務負担や財政負担も含めて制度への対応を確認するとともに、市が発注する工事や物品購入などで、小規模事業者が不当に不利益を受けることのないよう要望しました。
【環境行政】ごみを減らし、資源を生かす取組へ
4.ごみ減量行動計画の成果と、残された課題を確認
ごみの減量化は、環境への負担を減らすだけでなく、限られた資源の有効活用や、ごみ処理に必要な費用の削減にもつながります。
十和田市では、2021年度から2023年度までの第4次ごみ減量行動計画に基づき、生ごみの削減、分別の推進、リサイクルの促進などに取り組んでいました。
そこで、市の取組状況と成果について質問しました。
市長からは、段ボールコンポストの無料配布、電動式生ごみ処理機の貸出し、資源集団回収事業などについて説明がありました。
資源集団回収事業では、2022年度に奨励金を1キログラム当たり3円から5円に引き上げ、奨励金の交付対象となった団体は延べ128団体となりました。
また、宅配便によるパソコンや小型家電の回収事業者と協定を締結し、新たに2.1トンの小型家電が回収されたことも説明されました。
こうした取組が進む一方、ごみの資源化にはまだ課題があると考え、再質問を行いました。
5.リサイクル率18.7%。目標25%に向けて何が必要か
市長の答弁では、2022年度のリサイクル率は18.7%で、2020年度と比べて0.3ポイント上昇していました。
そこで再質問では、この数字を目標値と比較してどのように評価しているのか確認しました。
市からは、リサイクル率の目標は25%であり、18.7%という実績はまだ目標に届いていないとの答弁がありました。
リサイクル率を高めるためには、市の回収制度だけでなく、日常生活の中で市民が参加しやすい仕組みを整えることが大切です。
例えば、スーパーなどの店舗で行われている段ボールや資源ごみの回収も、市民のリサイクル活動の一つです。
そこで、民間事業者による資源回収量も市のリサイクル率の算定に反映できないか質問しました。
市からは、全国統一の基準で算定するリサイクル率には民間事業者による回収量を加えられないものの、市独自の統計として民間の資源回収量も合わせて公表することについて、事業者と協議したいとの答弁がありました。
市民や事業者が日頃から取り組んでいるリサイクル活動を見える形にすることは、さらなるごみ削減への意識を高めることにもつながると考えています。
なお、民間回収量を含めた統計の公表が決定したわけではなく、今後の協議事項として確認されたものです。
6.生ごみの減量化。市民の関心と参加状況を確認
生ごみを減らすため、市では段ボールコンポストの無料配布や、電動式生ごみ処理機の貸出しを実施していました。
再質問では、こうした制度の利用状況について詳しく確認しました。
市からは、段ボールコンポストについて、2022年度に20個、2023年度に50個を用意したところ、いずれも短期間で配布を終えるほど好評だったとの説明がありました。
また、電動式生ごみ処理機についても、5台を3回に分けて貸し出す取組で、申込みが定員に達しているとの答弁がありました。
さらに、東地区をモデルとして、生ごみの回収や資源化に向けた住民説明会が進められていることも確認できました。
私は、こうした取組が利用されている理由には、ごみを減らすという効果だけでなく、家庭で資源を生かす楽しさや、日々の生活の中で取り組みやすいこともあるのではないかと考えました。
ごみを減らさなければならないと呼びかけるだけではなく、取り組んでみたいと思える工夫も大切です。
市民が無理なく参加し、続けられるごみ減量の仕組みを広げてほしいと要望しました。
7.剪定枝を資源に変える。粉砕機の無料貸出しを提案
春から秋にかけて、庭木の剪定や草刈りを行う家庭では、枝や草木の処分が負担になることがあります。
剪定枝は、袋に入れて処分すると量が多くなり、ごみの収集や処理にも負担がかかります。
一方、剪定枝を粉砕して木材チップにすれば、庭木の根元に敷くことで乾燥防止や雑草の抑制などに利用できる場合があります。
そこで、他自治体の取組を参考に、市民に剪定枝の粉砕機を無料で貸し出す仕組みを提案しました。
市の答弁では、2022年度に市から排出された燃えるごみ1万7,787トンのうち、約1.5%に当たる267トンが草木類のごみと推計されていることが明らかになりました。
さらに市からは、他自治体で粉砕機の貸出しによる資源化が行われていることも踏まえ、2023年度に策定する第5次ごみ減量行動計画の中で、粉砕機の有効性などを検討するとの答弁がありました。
今回の提案によって、剪定枝を単に処分するのではなく、家庭や地域で資源として活用する方法について、市が検討する考えを示しました。
ただし、粉砕機の無料貸出しを実施することが決定したわけではありません。
導入する場合には、安全な使い方や維持管理、利用の需要なども考える必要がありますが、ごみの減量と資源の有効活用につながる可能性があると考えています。
8.プラスチックごみの分別と資源化を進めるために
プラスチックごみは、私たちの暮らしの中で日常的に発生する身近なごみの一つです。
2022年4月にはプラスチック資源循環促進法が施行され、資源としての回収や再利用、使い捨てプラスチックの削減などが進められることになりました。
そこで、十和田市におけるプラスチックごみの減量化と資源化の取組について再質問しました。
市からは、プラスチック製容器包装については資源ごみとして回収している一方、その他のプラスチック製品については、当時、燃えるごみとして処理しているとの説明がありました。
市は、今後、プラスチックごみの回収を進める方向で検討していきたいとの考えを示しました。
また、プラスチックの資源回収量が減少傾向にあることについても質問し、分別や資源化の必要性を市民に周知していくとの答弁がありました。
私は、分別の徹底に加え、使い捨てプラスチックそのものを減らすことも重要だと考えています。
例えば、公共施設で使用する製品や飲料容器の選び方など、行政が取り組みやすいことから始め、事業者や市民と協力して使い捨てを減らす方法もあるのではないでしょうか。
そこで、第5次ごみ減量行動計画では、プラスチックごみの削減や資源化について、より具体的な取組を示してほしいと要望しました。
【市民サービス】ごみ収集アプリをもっと使いやすく
9.市民の声をもとに、ごみ収集アプリの改善を提案
十和田市では、ごみの収集日をスマートフォンで確認できる「ごみ収集アプリ」を提供しています。
市内に転入してきた方などからは、収集日のお知らせが届くので便利、地域によって違うごみの分別方法を確認しやすいといった声を聞いていました。
一方で、アプリの使い方や表示について、改善してほしいという意見もありました。
例えば、市で収集できないごみが表示されていても、実際にどこへ持っていけばよいのかわからないという声です。
また、トップページとごみ分類一覧で、分別を表す色やマークに統一されていない部分があり、わかりにくいという指摘もありました。
そこで、市民から寄せられた具体的な意見を議会で取り上げ、アプリの改善を求めました。
市の答弁では、アプリは2018年11月から提供を開始し、2023年3月末時点で3,435人が登録しているとの説明がありました。
また、指摘した改善点については、今後、アプリ提供事業者と協議し、利用者にとって使いやすいものになるよう努めるとの答弁がありました。
行政が提供するサービスは、導入した後も、利用者の声を聞きながら改善していくことが大切です。
特に、ごみの出し方は日常生活に密接に関わるため、誰でも迷わず使えることが重要です。
今回の質問でアプリの改善が完了したわけではありませんが、市民の声を行政に届け、提供事業者との協議につなげる方針を確認できました。
今回の一般質問で明らかになった課題と、今後の取組
今回の一般質問では、インボイス制度への対応とごみの減量化について、制度の説明にとどまらず、市民や事業者の立場から具体的な課題を取り上げました。
インボイス制度については、市内事業者への影響が十分に把握されていない状況を確認し、個人事業主や小規模事業者に必要な情報を届けること、現場の困り事を把握することの重要性を訴えました。
ごみの減量化では、リサイクル率と目標との差を確認し、民間事業者による資源回収量の見える化、剪定枝の資源化、プラスチックごみの削減などを提案しました。
特に、剪定枝の粉砕機無料貸出しについて、市が次期ごみ減量行動計画で検討するとの答弁があったことは、具体的な前進です。
また、ごみ収集アプリについては、市民から寄せられた実際の使いにくさを伝え、改善に向けて提供事業者と協議する方針を確認しました。
これらの取組には、今後の検討や進捗確認が必要なものもあります。
議会で提案したことが、実際の制度改善や市民生活の利便性向上につながったのか、引き続き確認することが重要だと考えています。
暮らしの中の小さな困り事から、よりよいまちづくりへ
市民の暮らしをよりよくする方法は、大きな事業や新しい施設をつくることだけではありません。
今ある制度をわかりやすくすること、使いやすいサービスに改善すること、これまでごみとして処分していたものを資源として活用すること。
そうした工夫の積み重ねが、暮らしやすさや行政サービスの向上につながっていきます。
今回の質問では、事業者が感じている不安や、ごみ収集アプリを利用する方の具体的な意見を、市政に届けることができました。
限られた財源の中でも、既存の制度や地域の資源を有効に活用し、どうすれば改善できるのかを考えることが大切だと思います。
これからも、市民の皆様の身近な声を大切にしながら、暮らしの負担を減らし、環境にも人にもやさしい十和田市を目指して取り組んでまいります。
※この記事は、令和5年第2回十和田市議会定例会の一般質問、再質問、市の答弁をもとに作成した活動報告です。数値、制度内容、事業計画は2023年当時のものです。市が既に実施していた取組、市から示された検討方針、議員からの提案を区別して掲載しています。
その後の進展:剪定枝の資源化が市の計画に位置づけられました
2023年6月議会では、庭木の剪定で発生する枝を粉砕し、資源として再利用するため、市民への粉砕機無料貸出しを提案しました。
その後、市が策定した第5次ごみ減量行動計画(2024年度~2028年度)には、「剪定枝木や草の活用に係る調査研究」が盛り込まれました。
計画では、剪定枝などの粉砕による再利用について、市民のニーズを調査する方針が示されています。
粉砕機の無料貸出しはまだ実施を確認できませんが、議会で提案した資源化の方向性が市の計画に位置づけられたことは、その後の進展として紹介できます。
十和田市議会議員 やまだ洋子
2026年11月



